将棋AI

将棋AIはすべての差し手を把握しているのか?

投稿日:2024年10月4日|カテゴリ:AI・テクノロジー

将棋は規則で動くゲーム、でもAIは…?

将棋はルールが明確に決まっている「完全情報ゲーム」です。そのため「AIなら全部の手を分析して最善手がわかるのでは?」と思われがちですが、実はそうではありません。将棋の局面数はあまりに多く、いまだに全ての差し手をAIが網羅・記憶しているわけではないのです。

将棋の可能性は「天文学的」

  • 合法な局面の数:およそ 10の40乗以上
  • 指し手全体の可能性(展開の数):10の220乗以上

これは、全宇宙にある原子の数(10の80乗)よりもはるかに多い組み合わせです。

AIはどうやって強くなったのか?

AIはすべての手を記憶しているのではなく、評価関数探索アルゴリズムを使って「良さそうな手」を高速に選びます。

たとえば、GoogleのAlphaZeroは「モンテカルロ木探索」と「自己対戦による強化学習」を組み合わせて、数百万回の対局を通じて自力で強くなりました。

将棋AIと人間の違い

人間 将棋AI
経験・直感・読み 評価関数+計算力
数万局を記憶 1秒で数千万局面を探索

将棋は「完全解析」されていない

将棋における「完全解析」とは、すべての局面で最終的に勝つか負けるかを確定させることです。これは五目並べやチェッカーでは達成されていますが、将棋では今なお不可能です。

理由は、局面の数があまりに膨大で、現在の計算資源では解析に数百万年かかるとまで言われているからです。

まとめ:AIは「全部覚えている」わけではない

将棋AIは、規則で動くゲームにおいて人間を圧倒する強さを見せていますが、すべての局面を記憶しているわけではありません。評価と学習、そして推論によってリアルタイムに強い手を導き出しているのです。

0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です